freqdrop

notes around DTM by a weekend creator

「nanoKontrol2」を「Cakewalk by Bandlab」で動作させるまで!

KORG nanoKontrol2

KORG社のKORG nanoKontrol2を購入しました!

実は先日、これとは別の「X-TOUCH MINI」を購入したのですが、私の環境「Cakewalk by Bandlab」ではうまく使えませんでした。
freqdrop.hatenablog.com

そこで、「X-TOUCH MINI」は売却し、もうひとつの有力候補だったこの「nanoKontrol2」を入手した次第です。
KORG nanoKontrol2

早速、試してみたところ、「nanoKontrol2」は「Cakewalk by Bandlab」で動作し、使用できそうです。
ただし、きちんと動作させるには、Cakewalk by Bandlab」側で設定する必要がありました。

そこで今回は、次の2点についてご紹介します。

  • 私が「nanoKontrol2」を「Cakewalk by Bandlab」で動作させるまでにやったこと
  • 逆に、やったけどうまく動作しなかった内容 (これも重要な情報)

かなりの設定の手間はあるのが残念ですが、ひとまず動作して良かったです。
操作感としては割と直感的で気に入っています。

1.「nanoKontrol2」開封の儀

まず、「nanoKontrol2」開封の儀から始めます。
Cakewalk by Bandlab」での設定方法を知りたい方は、次に進んで頂いて大丈夫です。

翌日には届いたので早速、開封します。
KORG nanoKontrol2

KORG nanoKontrol2

KORG nanoKontrol2

KORG nanoKontrol2

裏面には薄いゴム足がありますが、本体が若干反っていると多少のガタつきはあります。
KORG nanoKontrol2

2.「nanoKontrol2」を「Cakewalk by Bandlab」で動作させる方法

それでは、動作させるまでの具体的な方法について説明します。
かなりの手順がありますが、お付き合い頂ければ幸いです。

2-1. 「Cakewalk by Bandlab」側の設定が必要

私の環境では、「Cakewalk by Bandlab」側で設定することによりきちんと動作しました。
動作させるまでの具体的なステップは、次のとおりです。

2-2. 「Cakewalk by Bandlab」の設定手順

それではひとつひとつの手順を見ていきます。

2-2-1. 環境設定で「nanoKontrol2」を認識

Cakewalk by Bandlab」の環境設定で「nanoKontrol2」を認識させます。
下の画像の赤枠のチェックボックス(nanoKontrol2)にチェックを入れてください。
「Cakewalk by Bandlab」の環境設定で「nanoKontrol2」を認識

2-2-2. 環境設定「コントロールサーフェス」に「Cakewalk Generic Surface」を追加

Cakewalk by Bandlab」の環境設定「コントロールサーフェス」に「Cakewalk Generic Surface」を追加します。
下の画像のダイアログのやや右上付近に、黄色い星マーク(すみません画像に枠をつけ忘れました)のようなボタンがあります。
「Cakewalk by Bandlab」の環境設定「コントロールサーフェス」に「Cakewalk Generic Surface」を追加
このボタンを押すと、リストに「nanoKontrol2」を追加できます。
追加する際の設定値は、次のようにしてください。

追加すると、上の画像の赤枠のようになります。

2-2-3.「ユーティリティ」メニューで「Cakewalk Generic Surface」を設定

Cakewalk by Bandlab」の「ユーティリティ」メニューで「Cakewalk Generic Surface」を設定します。
次の画像のように、「ユーティリティ」メニューから「Cakewalk Generic Surface」を選んでください。
メニュー選択

すると、次の画像のような「Cakewalk Generic Surface」の設定ダイアログが開きます。
ダイアログと設定箇所

本当はダイアログ先頭のプルダウン「Presets」に「nanoKontrol2」があれば設定不要なのですが、残念ながら存在しません。
そこで、自分で設定するする必要があります。

これから、画像にある1、2、3、4、の順に設定していきます。
1、2、3、4、は大まかに、次のような設定になります。

  • [1] Global Parameters
    全トラックで共通の設定(再生、録音、など)
  • [2] BaseTrack
    [3]の基準となるトラックの設定(あとで詳述します)
  • [3] Track Parameters
    各トラックの個別設定(トラックボリューム、Pan、など)
  • [4] ACT Controls
    エフェクトに対応する設定(あとで詳述します)

必要に応じて、「Cakewalk by Bandlab」公式マニュアルの説明も参考にしてください。

2-2-4.「Cakewalk Generic Surface」の設定: [1] Global Parameters

1つめの設定「Global Parameters」を設定します。
この設定は全トラックで共通の設定で、再生、録音、などのボタンについて、「nanoKontrol2」と「Cakewalk Generic Surface」を紐付けます。
具体的には、次の画像のマッピングを参考に、

を繰り返せば完了です。
設定箇所1

2-2-5.「Cakewalk Generic Surface」の設定: [2] BaseTrack

2つめの設定「BaseTrack」を設定します。
この設定は、3つめの設定「Track Prameters」と密接な関係があります。
次の画像を見てください。
設定箇所2,3 (Base TrackとStripの考え方)

「BaseTrack」を理解するには「Strip」という考え方も一緒に理解する必要があります。
「BaseTrack」と「Strip」はそれぞれ、次の意味になります。

  • 「Strip」は、各トラック
  • 「BaseTrack」は、「Strip」の基準となるトラック番号

上記を踏まえますと、例えば次の画像のように、「Strip」の基準である「BaseTrack」を1から2に増やすと、「BaseTrack」と各「Strip」の全体が1つ右にずれます。
設定箇所2,3 (Base Trackを動かしたときのStrip)

イメージできましたでしょうか?
特に理由がなければ、「BaseTrack」は「1」のままでかまいません。

2-2-6.「Cakewalk Generic Surface」の設定: [3] Track Prameters

3つめの設定「Track Prameters」を設定します。

「Configure Strip Number」には、お使いのフィジカル・コントローラーが対応するトラック数を指定します。
次の画像を見てください。
設定箇所3 (Stripの設定)
「nanoKontrol2」は8つのトラックに対応しているので「8」を指定します。
※デフォルトで「8」になっていますが、表示は「1」になっているようです。念のため「8」を選び直しておきましょう。

次に、各「Strip」の設定に移ります。
「Parameter n」(nは数字)のラジオボタンを選んで、プルダウンで「Volume」「Pan」など選んで、「nanoKontrol2」と紐付けていきます。
次の画像のように、(1)~(4)の操作でサクサクと紐付けできます。

  • (1) プルダウンから設定したい項目を選ぶ
  • (2) (1)を操作したい端子を「nanoKontrol2」で動かす
  • (3) Learnボタンを押す
  • (4) Controllerの箇所にCC(コントロールチェンジ)が表示される

Trackごとのボタンの割り当て方法

2-2-7. エフェクトの設定: [4] ACT Controls

最後に、エフェクトを「nanoKontrol2」で操作できるようにします。

ここでは「Cakewalk」に標準装備された「Pro Tool」の「EQUALIZER」を操作できるようにします。
EQUALIZER」以外の、VSTのエフェクトも設定できるようなのですが、私はまだ試していません。
なのでここでは「EQUALIZER」を前提に手順を説明します。

まず、次の画像のように、「Cakewalk」の「Pro Tool」を表示して「EQUALIZER」をクリックします。
設定箇所4 (EQの割り当て)
すると、上の画像の赤枠内のように、ダイアログの「ACT Controls」が全て空欄だった状態から何らかの文字列で埋まりまります。
この1~Gまでの項目の文字列は、デフォルトで操作できる項目であり、次の画像のように対応します。
設定箇所4 (EQとボタンの対応)

あとは、前述の「Track Prameters」と同じ要領(次の手順)で、「nanoKontrol2」と「EQUALIZER」を紐付けて行きます。

  • (1) 設定したいラジオボタンを選ぶ
  • (2) (1)を操作したい端子を「nanoKontrol2」で動かす
  • (3) Learnボタンを押す

私の環境ではかなり不安定で、上記の手順で設定しても、操作できたりできなかったり、という感じです。
すみませんが、原因は不明です。
ただ、一度操作できると、早く動かしたりしない限りは、操作できるようでした。

私はいったん、標準の「EQUALIZER」を操作できるようにしました。
他のエフェクトについても、おそらく同様の手順で設定できそうな気がします。
適宜、試していきたいと思います。

「nanoKontrol2」を「Cakewalk by Bandlab」で動作させる設定手順は、以上になります。

3. 補足

3-1. MCモードでも動いたものの、ちょっと微妙な動き

「nanoKontrol2」を「MCモード」(MIDI業界標準の機器コントロールプロトコル)にして「Cakewalk by Bandlab」で認識させたところ、すんなり動きました。
ただし、動いたものの動きはちょっと微妙でした。

マニュアルを見ると「nanoKontrol2」に対応するDAWがいくつかあり、そのDAWでは「MCモード」で利用する想定に見えました。
私のDAWは「Cakewalk by BandLab」です。
「nanoKontrol2」は「Cakewalk by BandLab」をサポートしていませんが、「Cakewalk by BandLab」の前身の「SONER」をサポートしています。
そのため、「SONER」向けの設定で「MCモード」を試しました。

試したものの、後述の通り、満足できる動きはしませんでした。
なので、私は「MCモード」での利用はしていません。

ここでは参考までに「MCモード」での接続方法をご紹介します。

3-1-1.「MCモード」での接続方法

マニュアルにしたがって「SET」ボタンと「REC」ボタンを同時押ししながらPCに接続すると、「nanoKontrol2」が「SONER」向けのMCモードに切り替わります。
Cakewalk by Bandlab」の前身は「SONER」なので、これでOKです。
「nanoKontrol2」を「SONER」向けのMCモードにする

次に「Cakewalk by Bandlab」の環境設定「コントロールサーフェス」に「Mackie Control」を追加します。
「Cakewalk by Bandlab」の環境設定「コントロールサーフェス」に「Mackie Control」を追加

たったこれだけで、「nanoKontrol2」が「Cakewalk by BandLab」に認識されます。
前述の「Cakewalk Generic Surface」の設定に比べると、ほとんど一瞬な気分です。

3-1-2.「MCモード」の挙動

「nanoKontrol2」を「MCモード」で「Cakewalk by BandLab」に接続すると自動的に、次の画像のようなマッピングで操作できます。

  • トラック共通(再生、停止、録音、など )

「nanoKontrol2」と「Cakewalk by Bandlab」のMCモードでのボタンの対応

  • トラックごと(トラックボリューム、Pan、ソロ、ミュート、トラック録音)
    「nanoKontrol2」と「Cakewalk by Bandlab」のMCモードでのボタンの対応(スライダー)
  • バンドチェンジ(1~8トラックの操作対象を9~16に変える)
    ※画像では1~9しかないので、1~8が2~9に切り替わります。
    「nanoKontrol2」と「Cakewalk by Bandlab」のMCモードでのボタンの対応(バンド)
3-1-3. 問題点

「MCモード」で試したところ、「nanoKontrol2」を「Cakewalk by BandLab」に認識させるのはとても簡単でした。
しかし、動くけど「中途半端」といった状態になりました。
具体的には、次のような問題点がありました。

  • 仕様で 反応しないボタンもある
    (前節の赤枠以外のボタン。「nanoKontrol2」の仕様らしいです・・・)
  • EQは全く操作できなかった
  • Panの動きがおかしい(下記)

最後の「Panの動きがおかしい」の件を説明します。
PanがなめらかにL100%とR100%の間を動いてくれるのが理想(というか当たり前?)なのですが、一旦どちらか100%にしてからもう片方に振ろうとすると25%あたりでいきなり100%に飛んでしまいます。
LからR、RからLでも、どちらでも発生します。
図示すると、次のとおりです。
「nanoKontrol2」と「Cakewalk by Bandlab」のMCモードでの問題点

EQは操作できない、Panも変な動き・・・この状態ではちょっと使えない印象なので、MCモードで使うのはやめました。

3-2. ACT MIDI Controllerは動かなかった

Cakewalk by Bandlab」の「コントロールサーフェス」には「ACT MIDI Controller」というものもあります。
ACT MIDI Controllerは動かなかった

この「ACT MIDI Controller」も試したのですが、「nanoKontrol2」のどの端子を動かしても反応しませんでした。

「nanoKontrol2」などKORG製品をカスタマイズするための「KORG KONTROL Editor」(無料)を使って、CC(コントロールチェンジ)を変更してみましたが、やはり症状は変わりませんでした。
※この辺は私は詳しくないので、関係ないかもしれません。
EditorによるCC変更は無意味

ということで、「ACT MIDI Controller」も私は使っていません。

4. 所感

今回、MIDIのフィジカル・コントローラーを使って思ったのは、やたら情報がなく手探りに近く、本当に苦労の連続でした。
そのため、同じように途方に暮れる人もいるかもと考え、この記事を書いた次第です。
単に畑違いの私が不得手なだけなら申し訳ないのですが・・・みんなどうやって使いこなしているんでしょうか?

ちなみに私はパソコン歴は30年以上、根っからのPCオタクで、自分で言うのもなんですがパソコンには相当詳しい方だと思います。
特に自作PCは本当に大好きすぎて、全部バラでパーツを集めては組み立てたりしたものです。
DTMのセットものですが、DTM機器も使った経験があります。

ですが、今回といい、先日の「X-TOUCH MINI」の件といい、こんなにも激しくわかりにくいデバイスは本当に初めてですね。
正直、驚きました。
普通は繋げればある程度のことはできるのですが、「フィジカル・コントローラー」は繋げてもほとんど動かないし情報もないです。
また、メーカー対応も不親切極まりなく、設定テンプレートすらありません。
「フィジカル・コントローラー」ってこんなもんなんですかね。(マニア向け?)

ちなみに、MIDIパッドやMIDIキーボードは、普通につなげれば使えていて、何ら問題はありません。
フィジカル・コントローラーだけが「超絶異質」という印象です。

まとめ

今回は、私が「KORG nanoKontrol2」を「Cakewalk by Bandlab」で動作させるまでにやったことをご紹介しました。
また、やったけどうまく動作しなかった内容についても触れました。

設定は本当に手間ですが、設定できれば作業効率があがりそうです。
実際、マウスでひとつひとつ操作するよりも感覚的、直感的に操作できるのはとても気持ちがいいものです。
みなさんも是非、チャレンジしてみてください!